落ち着く場所3
二階に復元した「アトリエ」は、左ききだったちひろが右側の窓から採光できるように画机を置き、イーゼル、絵具、鏡、色見本帖などが当時のままに再現され、ベランダには小さな植木鉢も並んでいる。
またガラスケースには愛用のつば広帽子や小花模様のワンピースなどの遺品もある。
「図書室」には内外の絵本が千五百冊余もあり自由にとり出して読むことができる。
「赤ちゃんライブラリー」は赤ちゃんつれの人たちが子供を絵本や玩具で遊ばせたり、おむつを替えるための部屋。
備えつけの感想ノートに「娘にちひろと名をつけました」「ここにくると、亡くした娘に会える気がして…」「オフクロと喧嘩してとび出してきたけど、ここにきたら素直にあやまれそう…」「今日は湾岸戦争開始の日、いたたまれなくなってここに来ました」等々、びっしり書きこまれている。
ちひろの絵に触れると心が洗われるような気分になるのだろうか、時どき絵の前で涙を流して立ちつくす人も見かけた。
何とも不思議な美術館である。