都市になだれこむ民衆
早起きの王さんはこの日、いつものように散歩に出かけたそうです。
場所はホテル近くの広州駅。
そこで記念写真を撮っているときに2人組の少年に襲われ、ポケットの中の財布を奪われたというのです。
幸いなことに王さんに怪我はなく財布の中身も少額でした。
ここ10年の改革開放政策のおかげで沿海地区の都市は経済発展を遂げ、随分と豊かになりました。
しかし内陸部には貧しい農村が依然として多いのです。
そうした農村から、多くの人々が豊かな都市に仕事を求めなだれ込むといった現象がいま、中国各地で起きています。
しかし、出稼ぎ農民の多くは仕事を見つけることもできず流民化しています。石塚孝一氏によると、家も仕事もなく路上に暮らす彼らは"民工盲流"と呼ばれ、深刻な社会問題になっています。
王さんが被害にあった広州駅は広東省の玄関口。
その"民工盲流"の一大たまり場なのです。
私たちは"民工盲流"の実態を探るために、中国側に広州駅の取材を申し込んでいました。
しかし当局は許可を渋っていました。